はじめに。

 これは主に2001年ごろから継続的に同人系のサイトで話題になっていたことなので、既に知っている人も多いと思います。
 何度もトレス・模写騒動があるにも関わらず、同様のトレスパクリ問題は出続けているのです。

「創作」における大前提条件

 創作であっても二次創作(パロディ)であっても、同人誌、同人グッズ、同人サイトを作成・発表するにあたっては、以下のことはしてはいけません。

  • 他人の絵や写真を、許可なく「トレス」「模写」したものを、自分の作品として「発表する、販売すること」。特にトレスで盗作することを「トレパク」と呼んだりします。

  • 原作作品のイラストやマンガのトレスや模写は、自分の作品として発表してはいけません。
    (もちろん、原作マンガのスキャンや、アニメのキャプチャーもダメです。)
  • 文章、特に小説の場合、既存作品の登場人物の名前や語尾、文体だけ変えたものを「発表すること」。
    (ただし、文章の場合は、実際にはパクりでない場合もあるので、騒ぎすぎには注意!)

以上のことは、(それがパロディであっても)「創作」に関わる人間として恥ずかしい行為であるとともに、「著作権」を特に侵害する行為なので、絶対にしてはいけません。

トレス・模写とは?

 ここで言う「トレス」(トレース)とは、いわゆる「写し絵」、元の絵を下に敷いて(光を当てるなどして)上の紙になぞる行為です。デジタル作画だともっと簡単に、「レイヤーをかぶせて作画すること」でできます。(蛇足ですが、原稿の保護などに用いられる「トレーシングペーパー」は、元々この目的の為にあるものです。)
 トレスの場合、元の絵とトレスした絵は、ほぼぴったりと重なります。

 一方「模写」とは、元の絵を参考にそっくりに似せて書き写す行為です。トレスとは異なり、元の絵とぴったりとは重なりません。

 これら二つは本来、技法的にはかなり違うことですが、「パクリ」行為の本質としてあまり変わらないことなので便宜上並べて書いてます。

トレス・模写が許される場合

 なお、絵の練習の為に、個人的に模写やトレスをすること自体は、むしろ絵の上達に役立つともされています。実際に、これで絵がうまくなった人はいるハズです。

 ただし、それで描いたモノを「自分の描いた絵として発表・公開・販売」しては、いけません。描いたものは、記録として手元に保存したいわけでなければ、捨ててしまった方が良いでしょう。

二次創作と、トレス模写の違い

 二次創作そのものが、既に著作権を侵害していると考えられることはあります(後述)。

 しかし、二次創作作品を描いてる人も、自分の作品という自覚がある限り、原作と「絵柄を似せる」ことはあっても、「原作のトレスや模写などしたもの」を、あるいは他人の同人誌のトレスや模写を、元の絵を描いた人の断りなく「自分が描いたもの」として発表することは、ありません。

 そもそも、二次創作作品でも、通常は、マンガのシナリオや構図やコマ割り、イラストとしての描画、あるいは小説のストーリーや文体は、(お話は「ありがち」なものだったとしても)その二次創作作家が独自に考え、試行錯誤して描いたものです。

 なお…「模写」した絵で「同人グッズ」を作った場合、それは露店や海外などで時々見られる、あやしげな「パチもんグッズ」と外見上も法律的にも殆ど変わりません。グッズは本よりも作りやすい為、気をつけてください。

トレス・模写をする作家やサークルはなぜ後を絶たないのか?

 まず、絵の場合、模写やトレスで作画することにより、原作そっくりかつ、本来の自分の実力より上手に見えるものが出来るからです。

 また、気付かれない限り、それで本などが売れてしまうからです。あるいは、「人気のある絵柄」の場合は、買い手がなんとなくパクりに気付いていても、売れてしまうこともあるのです。

 しかし、そんな「自分の実力ではない物を見せ(て売)ること」は、(絵の実力を重んじる)同人誌世界では、とても軽蔑される行為です。

「検証サイト」について

 トレスや模写が発覚する経緯がそれぞれ違うのでとりあえず省略しますが、原作品や他の同人誌をトレスなり模写して、それを堂々と「自分の作品」として売っていたサークル・作家は、男性向け女性向け問わず、後をたちません。

 そして、ある程度売れているサークルがトレス等を行っているのが発覚すると「検証サイト」というものが作られることがあります。なお、あくまでも「検証」であって、トレスや模写であると決めつけるものではありませんので、注意してください。

 Web上にはいくつかの「検証サイト」がありますので、検索してみてください…。「トレス 同人」などのキーワードがお勧めです。

パクリ問題関連サイトへのリンク
情報が少し古いですが、商業作品や音楽関係の「パクリ騒動」についても網羅しています。
創作・二次創作 問題提起・検証サイトリンク集
こちらも、少し情報が古いですが、おススメです。

今トレスや模写によるものをサイトに掲載している、販売している人へ

 自分自身が「創作活動している」と思っているならば、それは絶対に止めた方が良いです。
 他の世界ではともかく、同人世界ではその手の物は「創作物」だとは認められません。
 また、「友達が描いた頂き物」であっても、掲載するのは(自分にとって)良くありません。

 その上で、素直に「トレス」「模写」したものを掲載していたことを謝ることを、強くお勧めします。
 また、グッズなどを販売しているならば、もったいないですが、廃棄しましょう。

自分の作品を「パクられた」と思っている人へ

 逆に、自分の作品をパクられたと感じることもあるかと思います。この「同人用語の基礎知識@ヒトゴミ。」も、10年ほど前に更新を頻繁に行っていた頃はパクられました…。
 ただし、単に良く似ているだけだったり、カンチガイということもあります。もし「盗作だ」と騒いだ後でカンチガイだったと発覚した場合、「盗作言いがかり」という別の問題にもなりかねませんので、まずは、冷静になって対応してください。

盗作【言いがかり】対策室
 実は盗作という「言いがかり」は案外、多いのです。「言いがかり」だとされない為にも、本当に「盗作であるのか」を、きちんと証明してください。できれば、第三者に「検証」してもらうのが一番です。

「二次創作」(パロディ)そのものの是非について

 以上の「トレス」「模写」の問題は、いわゆる「二次創作作品」そのものの是非とは、一旦切り離して考えてください。

 いわゆる二次創作物そのものが、原作者の著作権を侵害しているかどうかについては、実際にはかなりグレーと考えられますが、「トレス」や「模写」については、著作権云々以前の、創作者としてのプライドの問題でもあるのです。

このページについての感想などありましたら…

「同人掲示板」のこのスレッドにぜひ書いて下さい。

 特に、「パクられた」(と思う)経験のある方や、パクリ行為としての「トレス」「模写」に該当する・しそうなもの、それ以外でも???と思う同人関連のパクリ行為を見たことのある方、逆に知らず知らずのうちにそれに該当する行為をやっていた方、あるいは現在している方も、ご意見ご感想ありましたらお願いします。

※なお、回答が必要な質問や相談は質問掲示板で行うことをお勧めします。
 (その方が適切なアドバイスが得られるでしょう)