デジタル原稿作成/入稿について、このサイト作成者の立場
00年代より、マンガ同人誌原稿をデジタルで作成する人が急増しました。マンガ原稿のデジタル作成はデメリットが少ない為、急激に普及したのだと思われます。
ただ、私は評論系(文字系)中心に活動するようになったので、マンガ(同人誌)版下をパソコンで作成したことはありません…。
なお、文字系自費出版物の場合、かつてはDTPソフトとその知識が必要でしたが、こちらも印刷所などの努力により、凝った編集をしない限り、市販されている「ワープロソフト」(WORDS、一太郎など)で見やすい本を作成することは可能です。ここを読んでいる人ならば、書店に並べない限り、ワープロソフトと印刷代だけで「本を作る」ことは、可能なのです……。
デジタル作成のメリット(コミック)
マンガの原稿、つまり「版下」作成のデジタル作業化については、メリットデメリットあります。おおむね、メリットの方が多いです。
- アンドゥ・リドゥが楽
- 少しでもコンピュータで「お絵かき」したことのある方なら判ると思います。アンドゥ・リドゥ、取り消しやりなおしができて、失敗しても取り返しがつかなくなることは少ないです。
- 原稿作成上の事故が起きることが少ない
- 版下が印刷段階までは物理的に存在しないので、原稿作成時の事故が起こることは少ないです。
例えばコーヒーをこぼした、インクをこぼした、あるいは猫の足跡で原稿が台無し…といったことはありません。 - 原稿の保存・管理が楽
- 紙の原稿は意外にかさばります。更に紙は劣化してボロボロになります。インクも退色しますし、トーンやネームも劣化してはがれます。
また、保存方法をきちんと決めておけば、デジタルの方が原稿の管理も簡単です。 - 過去原稿や素材集からの切り貼りが楽
- アナログでの切り貼りより簡単です。左右反転などの加工も容易です。(ただし、多用しすぎるのもどうかと思います)
- 背景作成が楽
- 写真からの画像加工、素材集からの作成、3Dモデルからの作成など色々ありますが、絵柄に合う限り、技法を身につければ、手描きで描くよりもリアルで正確な背景作成が可能です。
- 手抜きもそれなりに可能!
- 例えば、そのままではオフセット本の原稿には使用できない鉛筆描きのイラストも、スキャニングして加工すれば、それなりに見られるものになります。ただしこれも、やりすぎに注意です。
- デジタル入稿は楽
- パソコンでの操作に慣れてくると、原稿の入稿は楽です。(要、ネット知識)
特にFTP入稿ができるようになると、家にいながらにして入稿ができます。原稿を送るために郵便局などに行く必要もないのです。 - コピー本作成もキレイ
- 最近は、家庭用インクジェットプリンタでも、相当キレイに印刷できます。インクの色数が増えれば増えるほど、カラーはキレイになります。
さらに、モノクロレーザープリンタもあれば、コンビニで本文コピーするよりも楽です。両面印刷も可能なタイプだと、かなり経済的でもあります。
デジタル作成のデメリット(コミック)
メリットがあれば、当然デメリットがあります。
- 突然に作成中の原稿が消えることがある
- 保存やバックアップはマメにしましょう。個人的な経験では落雷による停電で、数ページの文字原稿がパァになったことがあります。
さらに、HDDが故障した場合、保存されている原稿も取り出すのもものすごく大変で、業者に依頼しなければいけない状態だと、結構なお金がかかります(知人の実話)。 - パソコンは突然に壊れることもある
- 道具なので仕方ありません。パソコンは突然壊れます。
- ディスプレイ(モニタ)上の表示と、印刷は異なる
- 特に、カラーの色の雰囲気は、モニタで見て予想するよりも結構変わります。インクの色の数を増やすことで、かなりのところまで再現可能となりますが、限度があります。
オフセット印刷の場合、印刷所の印刷機などによって再現できる色域など異なりますので、できるだけ依頼しようとしている印刷所にきいてみてください。 - 印刷所によって入稿のルールが異なる
- 紙の原稿の場合、せいぜいトンボ入れや面付の必要の有無が異なる程度ですが、デジタル原稿の場合は、印刷所によって入稿できるファイル形式やメディア、さらにはファイル名のルールなどが異なっています。守らないと印刷物がきちんと出来上がりません。
- メディアもそんなに堅牢ではない
- 紙の原稿よりも保存場所には困りませんが、CDやDVDのメディアも劣化します。またHDDに保存している場合も、クラッシュに備えてバックアップをきちんと行ってください。
デジタルでマンガ作成するのに、具体的に必要なもの。
デジタルでマンガ原稿を作成するにあたっては、おおむね下記のものが必要です。
- パソコン本体+OS
- 購入しようと思った時点である程度スペック・拡張性の高いものをお勧めします。CPUの性能も重要ですが、絵を描く場合メモリは積めるだけ積んでおきましょう。
OSはWindows系かMac、基本的には好みの方でかまいません、が、マンガ中心に使うのであれば、使っている知人友人が多い方で選んだ方が、直接教えてもらうのにも、ゲスト原稿のやり取りにも、便利です。
できればパソコンを購入する時に、デジタル原稿作成が判る人に実際に来てもらうと良いでしょう。 - モニタ
- これは大きい方が作業しやすいです。マンガを描く上では「液晶タブレット」も、選択肢の一つです。
- マンガを描く為のソフト
- 「Comic Studio」「Photoshop(写真屋)」など。正規版をきちんと購入しましょう。
- タブレット
- PCでのコミック原稿作成には、おそらく欠かせないものだと考えます。
線画まではアナログで作成し、加工のみをPCで行う場合も、マウスよりはタブレットの方が作業しやすいです。
これも、大き目のサイズのものの方が扱いやすいでしょう。
さらに、モニタと一体になった液晶タブレットも、ソフトが対応していれば選択肢の一つです。紙の原稿に近い感覚で作業が可能です。 - フラットヘッドスキャナ
- ラフの段階から完全にデジタルで描く場合は不要かもしれません。
ただし、これまでの紙原稿や資料があれば、スキャニングしておくと良いですよ。 - カラープリンタ
- 仕上がり見本を添付して入稿する場合もあります。最低限のもので良いので準備しておきましょう。
- デジカメなど
- 資料用や、背景として加工する為に撮影するのであれば、超高級機種は必要ありません。
- ブロードバンド環境
- ADSL、できれば光で、ブロードバンド環境を整えておくことをお勧めします。FTPで入稿するなら必須となります。
文字系同人誌をデジタルで作成する(DTPソフトを使わない編)
現状、ほとんどの文字系同人誌の作成者は、コピー・オフどちらがメインでも、デジタル作成していると思われます。
- パソコン本体+OS
- 各社の「最新のひとつ前のワープロ」が搭載できるPCなら何でもOKです(なお最新のワープロソフトは、印刷所が対応していない場合がありますので、要注意です)。
絵を描かない限り、ノートパソコンでもネットブックでも大丈夫です。OSもWinでもMacでもどちらでも。 - 周辺機器類
- 絵を自分で描かない限り、モニタも特に大型でなくて大丈夫です。
写真を入れた本を作りたければ、デジカメはあった方が良いでしょう。これも、写真集を作るわけではないでしょうから、普及機で十分です。
プリンタは仕上がりのイメージをつかむためには必須です。特に大量の文字原稿を作成する場合、あるいはコピー本でのみ活動を行う場合、コストパフォーマンス的にモノクロレーザープリンタがお勧めです。
その他。
- ここから先は、使用するマンガ描きソフトやDTPソフト、ワープロソフトのチュートリアルのサイトを検索で見つけてください。各ソフト、さらにソフトのバージョンによっても具合が違います。
- 印刷所に依頼する場合は、利用しようとしている印刷所の、デジタル入稿の注意点を読んでから原稿作成に取り掛かることをおススメします。
特に絵の原稿の場合、描き始めてからでは後戻りできない場合が多いです。 - さらに、印刷所などのサイトで判らないパソコン言葉があれば、必ず検索してから原稿作成されることをおススメします。印刷所によって対応しているソフトやファイル形式が異なります。(具体的には「ファイル形式」と「せりふ文字部分の処理」に注意!締め切りぎりぎりでは間に合わなくなることがあります)